涼宮ハルヒの消失

京成ローザ。*1

長門俺の嫁」派ですがなにか。


本作は「涼宮ハルヒ」シリーズでも重要であり、ファンの間でも人気のある話である*2。製作サイドやファンがこれを映画化したい気持ちはとてもよくわかるし、製作発表があってから非常に心待ちにしていたものである。
はたして、本作は映画としても非常によくできており、原作の世界を、映像ならではの深みをもって表現していると思う。僕はいい具合に詳細部を忘れていたので、いい意味で新鮮さを損なわず、カタルシスをもって鑑賞できた。ファンであれば本作に、少なくともそれほど不満は感じられないと思う。


しかしあえて気になる点をあげれば、この話以前の「了解事項」というか、下敷きの知識がやけに必要な作品だと思う。少なくとも事前に「笹の葉ラプソディ」の内容はさらっておくべきだし、その他にも、これまでの話を知っていなければわからない小ネタが多い。
本作は一種の「ナンバリング」作品であるから、そういうものなのかなあとも思う。でもこの映画をキッカケに「ハルヒ」シリーズに興味を持つ人は出るのかなあ、という要らぬ心配をしてしまう。
あくまでファンの間の「イベント」としての映画化でもおそらく商業的には成功するのだろうけど、狭い範囲で語られるにはもったいない作品ではある。

*1:公開日に新宿で見てたけどレイトショーでウトウトしながらだったので見直し。

*2:この辺りは僕の論じるを待たないところだがテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」適当なまとめ:web上における批評・論考のリスト - MilkyHorse.comの馬法学研究会