天ぷらの考現学


考現学てなにぃ?


まだ学生だった頃、大学というのは案外さまざまな年代の方が学生として来ていて、学校の先生を定年で辞められて修士に入ってきていたおばさんがいたんだけど、
食堂のセットメニューで「天ぷら」なんかが入っていると、衣をはがして食べたりしていた。

衣はカロリーが高いからねー*1


…いやまあそうだけどさ…


まあそれはいいや。


高校時代、ある日の部活中に「天ぷらに何をつけて食べるか」という話しでちょっとした議論になった。やはり「天つゆ」が主流で「塩も美味しいよねー」などと話していたんだけど、7人いて2人くらい「いや、天ぷらは何もつけずに食べるべきだ」という意見があった。曰く、「天つゆ(塩)の味になってしまうから」。

「天ぷら」というのはどこまでが「天ぷら」なのだろう

というのは、天ぷら職人(そういう呼称があるとして)というのは、揚げ終わるまでが「職人」なのか、あるいは天ぷらという調理方法と、素材の個性を引き出すような味付け、つまりそのためにふさわしい天つゆをつくるとか、塩で食べるべきだとか、そういう味の「ゴール」ようなものまで思いをめぐらしてこその「職人」なのか、いや「職人」でなくてもいいけど、どこからどこまでを「天ぷらを作り、また味わう」と考えるべきか、という問題であるのだろう。いや多分そうだ。
もし、「天つゆや塩は<天ぷらの味>を邪魔してしまう」ということなら、「天ぷら」の味とはどういうのを指すのか。つまり衣の食感と素材そのものの味とか。ただそれは、出汁つゆや塩などが合わさったから壊されてしまうものなのか。食感はともかく、味覚そのものは素材の味だけにならないか?だとしたら、「天ぷらの味」とはつまり「素材の味」なのだから、それをそのまま、せいぜい湯通しでもして、何もつけずに食べればいいのだ。ナイスネイチャー!


ちなみに僕は、天ぷらは衣ごと食べます。塩派です。*2

*1:ポテトチップスを買ってきたりしたときは、塩分を気にして「うすしお」選んでたりしたけど、あれ「のりしお」より塩使ってたりするんだよね。

*2:ちなみに、天つゆをつけて天ぷらを食べる習慣は、「揚げたてだと熱すぎるので冷ますためにつけるようになった」と、風の便りで聞いた。