鳥のはらわた

道端に、鳥の死骸があった。
一目にはわからなかったが、流線型の身体と羽根でそれとわかる。

「ああ、こりゃ猫だねぇ」

通り過ぎる人の声が聞こえる。
直視するのがためらわれたが、よく見るとそれほど嫌感を覚えないのが、違和感を誘う。


鳥のはらわたは空っぽだった。
血もほとんど残っておらず、グロテスクさが微塵も残っていない。


空っぽになってしまえば、ドロドロさもなくなる。
空っぽになってしまえば、ドロドロさもなくなる。