入社して一月ちょい、
慣れない仕事をしているわけだから、へまする事もしょっちゅうで、
よくへこむ。
それでも上司には恵まれていて、事あるごとにフォローしてくれるし、
こちらがふさぎこまないような気遣いをしてくれたりする。


会社に入ったことで自分はすごく守られていると感じる。


特に僕の世代前後では、そういう「庇護」に、望むにしろ望まないにしろ、入っていない人たちがたくさんいる。
非常に厳しい雇用情勢の前に阻まれたり、あるいはそのような状況では自分の苦労は報われないと、積極的に回避したり。しかし、彼らのような「非正規」と「正規」との間には、待遇面において大きな差がある。


新卒雇用が改善したという。「若くてピチピチ」しか採ろうとしない企業のロリコン人事の一方で、人生のほんの一時期にその中に入れなかった、入らなかっただけで、それこそ「生きるか死ぬか」のボーダーに捨て置かれた人たちがたくさんいる*1


ほんとうにそれでいいのか。


自分は、いろいろな縁のおかげで、小さい会社ながらも正社員として働かせてもらっている。「非正規」の彼らからしたら、僕は「敵」の一人かもしれない。
それでも、僕自身が「正規の労働者として扱われる機会を<絶望的に>失い」、「尊厳」も「誇り」も感じられず、「怠惰な若者」とひと括りに批判されてきた、その「屈辱」を、今も、そして今後も忘れることはできないだろう。そういう「一部の人間以外にはやさしくない社会」を僕は信じないし、その社会の一員と見なされたって、心のうちではまだ「アウトサイダー」のままだ*2

僕は誰の「味方」にもならない。
そして、誰の「敵」にもならない。

*1:僕だって、たった一ヶ月前はそうだったのだ。

*2:こうはいってもそういう社会に入ろうと考えたのは、「あいつら」の中に入らなければ、声を上げる機会も限られるし、またそうならなければ「あいつら」はこちらの声を聞こうとしないだろう、と思ったからだ。