Black Swan

京成ローザ。


映像表現的に多少グロテスクなところもあり、緊張感がピリピリと張り詰めるところもあるけど、ひとりの表現者が自分の限界を打ち破るまでの、一種の「成長物語」と見た。こういう言い方は多少言い足りない感じがあるんだけど。
つい最近、某大御所芸人がtwitter上で某フィギュアスケート選手に対するアドバイスとしてしたポストがずいぶんひんしゅくを買っていたけど、ああいう類の物言いは、品性の差はあれど、実に昔から存在していてる。その是非・真偽はともかく、例えば性的なものに限らず、または表現者に限らず、ひとは絶えず未知のものに遭遇し相対し、そして乗り越え、新しい「自分」を獲得していく。それは時に「成長」と呼ばれる。その「成長」は、未知に対し恐れおののいていた「自分」との別離ともいえる。
このような「成長物語」はいつの時代にもあるものだけど、この作品のように、見ようによってはホラータッチの、その独特の表現によって描いているものは初めてだったし、この点について非常に驚きを覚えた。特にラストシーンは象徴的。ある種の謎解きを期待させながら、実にシンプルに、しかも期待を超えた解を提示してみせる。
こんな作品は初めて見た。
あと、ウィノナ・ライダー久しぶりに見た。あれ以来結構出てるのかしら。最近映画観る頻度とみに減ったからなあ…