相棒

大好きなドラマの映画化。単なる謎解き刑事ドラマではなく、社会の矛盾に対する硬派な視点も健在である。



テレビドラマの映画版というと、「お祭り」みたいな雰囲気になりがちで、始まった当初は「オールスター総動員」的な感じがあって不安になったけど、話の質としてはレギュラー・シーズンと引けをとらない。テレビの時の雰囲気のまんまでもつまらないけど、「いつもとは違うカメラワークかな」と思わせるところもあって、期待は裏切らなかった。
「相棒」(というかこの類のドラマ)を見慣れている人なら、随所にちりばめられたヒントに、いろいろ推理をめぐらすところだろう。途中で真相が大方明らかになったとしても要注意である。
不満があるとすれば、謎解きが転回しすぎて、いささか冗長気味に感じたところ。「映画」という枠を活かそうという心意気だろうが、「いつもの右京さんより鈍すぎじゃね?」と思うところもあった。
こういってはなんだが、映画館に足を運んで見るほどでもないかもしれない。テレビ放送を待ってから見ても、作品の世界観は充分堪能できる。意地悪な友人にオチを教えられてしまっても、そこまでに至る展開にはひきつけられるはずである*1


あと、本仮屋ユイカって華奢なイメージがあったけど意外と・・・おっとこれは本筋に関係ないので別の機会に。

[追記]

パンフに「見終わるまで開封しないでください」とかどこのM・ナイト・シャマランだよ、と思ったが、開いたとたん犯人の大写し(新聞記事風)でフイタ。これからの人はご注意ください。

[追記]

思ったんだけど、「相棒」って二人のやり取りがメインで話が進むから、伏線を張りづらい話の構造になってるのかもしれない。60分だったらそれがテンポのよさになるんだけど、120分かけてじっくり、ってなると、並行して進んでいる話をどうやって盛り込むか、というところに無理が出てくるのかもしれない*2

*1:落としているようでフォローになっていない

*2:特に、鹿手袋の動きがやや唐突に感じた。