さあこの辺が悩みどころです

今回の話を始める前に、以下の動画をさわりだけでもいいので見てみてください。
before
D
この「ラムネ」という曲は、16ビートなうえにMM=120*1という代物で、どうしても譜割りが細かくなり、息遣いが単調なボーカロイドでは調整なしで演奏するとのっぺりした印象を受けてしまいがちだった(コメント「声が重い」という指摘)。また、メロディの音域が広いため、高域と低域の声量の差が大きいのも聞きづらい印象につながってるのかもしれない(コメント「声をもっと前に出したほうがいい」という指摘)。で、調整したのが↓。
after
D
この調整では↓の特集を参考にした。

DTM MAGAZINE 2008年 08月号 [雑誌]

DTM MAGAZINE 2008年 08月号 [雑誌]

とりあえず忠実に、全体的にVerocityをあげ子音発声のときのもたつきを避け、また特に音の細かいAメロとサビのノート*2のDecayを極端に上げ、シンコペーションの拍のアクセント値を上げた。また不要なVibrateをなくしていき、音程のピークのアクセントは下げた。
ミックスでは、リードボーカル以外のトラックの音量を下げ、そのかわりマスターボリュームを若干あげた。
自分で聞いた分には、微妙な変化ながら、歯切れのよい唄い方にはなったと思うが、反応については動画コメントの通りである(「声が小さい」という指摘)。


↑にも書いたとおり、この曲は音程の高低差が大きく、ボーカロイドの特性として、高音と低音の声量差が出やすいこともあり、声量調整が特に難しいものであった。また、「鏡音レン」の声が高域が得意ということもあり、低域の部分がくぐもった感じになりがちだった。こうなると、中域程度の音程が前に出ていない感じになり、全体的に声が小さい印象を与えたのだろう。
やり直したミックスでは、これでも限界まで「声を前に出し」ており、なお音割れが出ているので、これ以上極端なことをやると、全体的に聞きづらくなる恐れがある。現段階でできる範囲では、これが最終形だと思う。
今後の課題としては、ボーカロイドは音程差に弱いものと考え、メロディの音程差を抑えるようにする全体的にメロディ(つまり「声」)を中心のアレンジをする(つまりバックトラックの音数を調整する)、の2点は念頭にとどめておきたい。
しかしなあ、「男声」と謳ってるのだから、せめて中域の音程はもっとはっきり唄ってほしいんだけどなあ、機械だからしょうがないかもしれないけど。

*1:メトロノームを1分間に120個打ちますよ」という意味。「MM」のところに四分音符を書きたかったけど「おんぷ」での変換で八分しか出てこなかったので。

*2:単純に「音」を指すと考えて差し支えない、はず。