「縦並び社会」

縦並び社会―貧富はこうして作られる

縦並び社会―貧富はこうして作られる

やっと読みました。
書店で見たとき、結構大きい本だったのでびっくりした。この大きさで1400円は安い!(肉じゃないんだから…)
新聞で一回一回読むのとはテンポが違い、読み応えは相当でした*1


読み進めていくうちに、怒りというか、感情が高ぶってくるのがわかった。「努力が報われる社会を作る」と言っておきながら、苦労に見合った報いが受けられない社会。


でもだんだん、そんな感情も虚しく感じられてくる。


結局力の強い、声の大きい人間の思い通りに社会は作られていっているということだ。我々一般人の影響力なんて無いに等しい。

便利さの陰に

たくさんの犠牲が強いられている。いや、ちょっと想像力を働かせれば、「そりゃそうだよなぁ」とわかる。

働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

でも一度便利さを覚えたら、もう戻れないよね。読みたい本は確実に手に入れたいし(本屋に入荷してなかったら力抜けるもんね)、コンビニは夜に開いててほしい。

大きい資本が

個人経営を凌駕する。気がつけば周りはマツキヨやTSUTAYAだらけだ*2

働く場所がない?

雇用ならいくらでもあるじゃないか。アルバイトに派遣、10万ポッチだって無いよりマシだろう。

規制緩和の前後で、どちらが失業率が高いか。パートと無職のどちらがいいかということです。(「縦並び社会」p.98、宮内氏の発言)

そして共通の言葉はなくなっていく

みんながみんな、せいぜい自分の半径5メートルぐらいのことしか考えられなくなる。「下流」だけじゃない、「上流」もだ。

みんな自分の立場で、自分の言葉でしか語らなくなる。もう共通の言語など存在しない。


客観性を失うのは怖いな、と自分をいつも戒めている。

*1:というより重かった。疲れた。

*2:これはうっとこの周りだけ?

*3:一般的な議論とは距離を置きたいので、「」付きで著す。「「ニート」って言うな! (光文社新書)」参照。