「マッチ・ポイント」

一昨日の虎ノ門でやってましたね。
自分が見たものを取り上げていると「おっ」と思いますが、
自分とは違う見方、あるいは気づかなかった点などを言っていると、
そんな見方があったのか〜」と参考になります。


ウディ・アレンは「アニー・ホールアニー・ホール [DVD]を大学の図書館で見て以来のファンです。
(でもフィルモグラフィを見ると3分の1も見ていないんだなぁ。)
ウディ映画といえば、ジャズに乗せた軽快なストーリー展開や、
出てくるほとんどが神経症なんじゃないかと思わせる登場人物の
皮肉の効いた会話にニヤリとさせられる、というイメージなんですが、
今回はサスペンス調で、終始心地よい緊張感がありました。
BGMはいつものジャズではなくオペラからの選曲で、
「いつもよりテンポが重いなぁ」と感じたのはそのせいかもしれません。(「マッチポイント」オリジナル・サウンドトラック)


階級社会のなかで野望を抱く青年が主人公でしたが、
ブルデートでの食事シーンの会話で、
上流階級の女性が「成功は努力の結果だ」というようなことを言ったところへ、
主人公が「人生は運だ」と言い返すシーンが印象に残りました。
まるでどこかの国みたいだなぁと思って。
(後にこの女性も、自分が妊娠できないことに「運が悪いのよ」などと言うのですが)


クライマックスに向かって、ラストを暗示するようなシーンがありながら、
それを最後の最後で鮮やかに裏切って見せた演出に、
さすが」とうなったのでした。